ワタクシ、前々からOリングテストなどは怪しいと思っていたんですよ。
Oリングテストっていうのは、「アプライドキネシオロジー(AK)」というメソッドの「筋反射テスト」のひとつなんですがね。
からだが「イエス・OK」とするものなら指で作った輪っかが開かない。
「NO/NG」の場合は、パカッと開いてしまうという、面白い代物です。
Oリングテストの他にも、さまざまな筋肉を使った「筋反射テスト」というのがあります。
でね、ぼくも身体の研究家として、もちろん実験してみるわけです。
すると、これは正確にやると、ある一定の「からだの声」「潜在意識の声」を聴けることが多い。
ぼくの捉え方だと「インナーマッスルの運動神経のオンオフ」なんですがね、それが如実に出る場合が結構ある。
なかなかに面白い方法です。
こういった「からだの声を聴く方法」で、ものすごい成果を上げている施術家の先生もたくさんいらして、スゴイ方になると
「〇〇という臓器に××が感染している」とか
「〇年前のトラウマが足首に出ている」とか
ビックリするくらいのことが分かるらしい。
ぼくはそういう事実を信じ、またそういう先生方を尊敬しています。
目次
ちゃんと使える人がほとんどいない問題
けれども、これはとにかく「正確な診断」が難しいのです。
チェックするほうが「クリア」な、つまり「ハラと軸がしっかりしている」状態である必要があるし、非常に繊細な感覚が要求される。
それから判断結果の出やすい人、出にくい人がいる。
ぼくなど「オンオフ」が分かりにくいタイプで、やってもらってもよく分からないことが多い。
そして実際には「オンオフ」だけでなくて「アナログ的な」反応もある。
なんなら10段階評価くらいできそうなくらい、アナログに反応するのだ。
つまり「すごい方法」であるからこそ、「熟練」が必要なのであり、素人がすぐにできるものではないと感じる。
けれども、雑で荒っぽい「エセOリングテスト」を用いて、自分のメソッドや商品があたかもスゴイように見せかける人もいます。
「潜在意識の声を聴く」と言いながら、はっきりと顕在意識に語りかけていたり、明らかに引く力・押す力を調整している人もいる。
しかも本人は悪意なかったりするから、さらに厄介。
そしてアホな純粋なセミナー参加者も「わー、すごい!」なんてはしゃいでいる…。
なんて「まっすぐ」なの…
しかし、時に「まっすぐ」すぎるのは罪だったりするよね…
自己反省を込めて
かくいう僕も、以前はそういう「エセ・キネシオロジー」に加担していた部分があった。
「ありがとう」と言うと力が出るとか、「バカヤロウ」と声をかけると弱くなるとか。
いや、確かにそういう側面ってあるんです。
意識のあり方や「ことば」で、からだが変わるということはある。
そういう側面はあるけれども、しかしそういう魔法のようなやり方では、芯のある効果というのは出てこない。
インスタントなメソッドやあり方ではインスタントな効果しか出ないのです。
批判的思考と肯定的思考の間に立つ
以前に出たセミナーで、その主催者が自著にサインを書いて販売していた。
それを買った人がサインに手をかざして「すごいエネルギーを感じるぅ~」と言っていたのを聞いてドン引いた。
喉元まで「じゃぁ、あなた目をつぶってサインが書いてあるページを開いてみなさいよ」という言葉が出かかったが、やめておいた。
「エネルギーを感じる」という雰囲気を出していても、実際には「目で見ている」「顕在的な情報をもとに話している」人がめちゃくちゃ多い。
つまり「思い込み」のレベルであって実用性はない。
やはり、どんなものでも「肯定的思考」と「批判的思考」の中間に立つということが大事だ。
「はぁ?Oリングテスト?あんなんウソに決まってんじゃん!オカルトだよ!」と決めつけるでもなく
「Oリングで何でも分かるんで、食べ物からパートナーまで全部Oリングです!ホントすごいです!」と依存することなく、
「どうも、そういう世界もありそうだが、分からない。使ってみて実用性があるなら使うもよい。しかし完全完璧なメソッドなどない。オカルトかもしれない。いつか科学的に証明されるかもしれない。それは分からない」
という中立・中庸の立場を貫く。
そして、やるなら「熟練」を目指して練習・研究していく。
それでこそ「ホンモノ」を見分けることができるし、だまされないし、おかしなものを広めてしまうことに加担しなくて済む。
こんな筋反射テストには気をつけろ!
以下のような筋反射テストがあったら、注意したほうがいいと思う。同時に批判法、対処法も。
「この〇〇を持つと一瞬にして身体が変わり、横から押しても崩れなくなります」
→その〇〇を見えないように袋に入れ、似た重さの××や△△ではどうなるのかをチェックする
「この△△シール(カード・お札・パワーストーン・古代文字)にはすごいエネルギーがあり、腕を押し下げても下がりません!」
→本人に気づかれないようにシールを貼ったりはがしたりしてチェックする
もちろんチェックする人も「被験者が、オン状態かオフ状態のどちらになっているか分からない」のが大前提。
「被験者は〇〇を持っているから強いだろう」と先入観を持っていては「潜在意識の声」など聞こえませんね。
しかし、こういう「正しく観る」ことをしようとすると、
「正しいかどうかが重要なわけじゃない」とか
「批判的な目で見るから効果が薄れてしまう」とか
「猜疑心が強い人には効きません」とか
うまいこと逃げられてしまうことがある。
そしてまた、その側面もあるのよ(笑)
あまりに疑ってばかりでは得られるものも得られない。
せっかくのチャンスやヒントを逃してしまう場合もある。
ここが難しいところなんだよな…
「思い込み」でも効果があればよい、という面もある。
ただ「妄信」の先に「本質的な幸せ」はないのよね。
「信者」になり果てた人の「おかしさ」「不自然さ」「違和感」「異様さ」っていうのは、なんとも形容しがたく、まぁ僕は
「目が怖い」
っていう表現をしますがね。
思考停止すると目がおかしくなるのよね。
その影響か頭蓋骨がガチガチになってくる。
思い込み系スピの人に多い。
だから僕は
「オカルト系情報も楽しみつつ、地に足をつけた活動もしていく」
というのが、もっともバランスがよいと思う。
いつも言ってるけど俺はオカルト大好きなの。
龍も神様も天使も言霊も全部信じてるよ。
けど、それは「遊び」の範疇であって、俺の人生のすべてではない。
だって「〇〇グッズ」で姿勢が強くなった人さ、それ持ってウチの塾に来ても、99%崩されると思うもん(笑)
やっぱり「一発逆転ホームラン」を狙わずに、地道にやるのがいちばん強いのよ。
「思い込み」のイメージじゃなくて、どっしり地に足のついた「身体感覚」ね。
これを身に着けていけば、ショボいインスタントなメソッドに騙されたりしないんじゃないかな。
地味に、地道に、身体を内側から練り上げていく
「どっしり地に足がついた状態」を体現していくには「脚に力が入っちゃいけない」のです。
脚がリキむと、「浮き足立って」しまう。
やはり闇雲に筋肉の量を増やしていくのではなくて、「身体の機能」を高めていくことを考える必要がある。
そういう面でも、現代社会では誤解が多すぎるーハラを鍛えると称して腹筋運動を行ったりしているーので、からだの研究家としては
「日本古来の、超合理的な身体の使い方」をお伝えしたいと思っています。