前回の続きです。
ピラミッドの頂点の「自己超越」の欲求と、下位4層の「欠乏欲求」は、意外にも
「やるべきこと」
という意味では似通っているので、区別がつきにくい。
そのために「からだの感性」を高めようというのが、前回のお話でした。
さて、今回はついに「同心円ハラ理論」をお披露目するわけですが、まずは図でジャン!
「おい、マズロー!ピラミッドより同心円のが分かりやすいやろ!」
ということで、同心円にしてみました。
このほうが「じぶんの内側に深く入っていく」感じが出ると思いましてね。
ほんで。
まぁ、こういうことですわな。
でも、なかなかコレを掴めない人が多い。
いわゆる「好き」がピンク色の「自己実現」の部分にあたりますが、これさえも分からない人が半数以上いるので、
いわんや真ん中の「自己超越」に関しては感じられる人はほとんどいない。
ぼくも、どこまでこのレベルに入っているかは謎です。
ただ、この図のように、だんだんと奥深くに入るにつれて「本質的な幸せ」に近づくことは間違いない。
そのために大切なのが「クリアリング」なのです。
クリアリングというのは下位4層の「欠乏欲求」「エゴ」「アタマの計算」「罪悪感・不安」などを軽減する、もしくは消失させることです。
ね?
外側の欲求を薄めてあげると、真ん中にアクセスしやすくなるのです。
これは、「外側の筋肉をゆるめ、内側の筋肉を締める」のと同じことです。
だから、クリアリングというのは「欠乏欲求」「エゴ」に引っ張られないためには、とても重要なのです。
けれども、ここで大事なことがあって、「エゴ」をなくさなきゃいけないというわけではないのです。
「エゴ」はあってもなくてもいい。
大切なのは、「ど真ん中」にアクセスできるかどうか、です。
逆に、クリアリングばかりしても「ど真ん中の欲求」に目を向けなければ意味がないのです。
だから、ものすごい「欠乏欲求」や「エゴ」を膨大に抱えながら、それでも「ハラ」「自己超越」にアクセスしている人もいます。
「エゴ」というのは対処法が3つあるのです。
ひとつは、技術によって消失・軽減させること。
ひとつは、欲求を一時的に叶えてあげることで消化すること。
そして、「気づきながらも無視すること」です。
この3番目が、難しい。
「エゴ」に気づかないフリをすると、「聖人ぶる」「オトナぶる」「できてる風」になってしまいます。
「私には、怒りなどのネガティブな感情はなくなりました」みたいなお花畑スピみたいな感じですね。
「すべて愛です。光です」みたいな。
ぼくはエゴまみれなので不安も罪悪感も、嫉妬も怒りも落ち込みもぜーーんぶあります。
承認欲求だって、たくさんあるから褒められたら嬉しいし、見てもらいたいと思うし、「いいね!」してもらえば喜ぶ。
それでも「ハラの響き」をつかもうと必死になっている。
小さな「ハラの声」を聴こうと、耳を澄ましている。
こころとからだを鎮め、2つの「やるべきこと」の違いを微妙に感じ取ろうとしている。
(ちなみに、この行為を「じぶんを大切にする」「じぶんを愛する」と言います)
でも、とにかく「自己超越のハラの声」は「(エゴにとって)やりたくないこと」が出てきやすい。
だから「欠乏欲求」と勘違いしてやめてしまったりするわけです。
そのためには「からだの感性」を高めていくしかないのだけれど、
それではブログとして身も蓋もないので、いくつか「ハラの声」の基準みたいなものを書いてみたいと思う。
1:ハラの声は見るだけでも、口にしてもドキッとする。
なんだかお股の底のほうからグッとくる感じ。
2:ハラの声を他人から聞かさせると、つい笑ってしまう
セッションでぼくが「〇〇ですね?」と聞くと、思わず笑ってしまう。
3:そのときの感じが困った感じである。
「いや、嬉しいとは思うんですが、私には無理でしょ」
「そうだったらいいけど、それは違うっしょ」
という感じで傷つかないための予防線が反応してくる。
4:でも、嬉しそうだし、身体になんらかの反応が出る。
涙が出る。汗が出る。震える。いわゆる緊張反応が出る。(これがいわゆる「やりたくない」と勘違いしやすい)
5:でもやっぱり嬉しい。
「やっぱりそうかー」と薄々気づいていた感じになる。
逆に「アタマの声」「欠乏欲求スタート」「エゴ」は
1:現実的にホッとすることである
安心・安全・安泰。「いまのまま」。ぬるま湯な幸せ感。
2:不安や罪悪感がもとになっている
「お金のために…」「叱られないように」「認められるように」
3:それを聞かされたり言ったりすると、ドンヨリする。
気分がふさぐ、落ち込む感じ。
4:もしくはまったく身体反応が出ない。
興味がまったく湧いていない。
5:もしくは異常にテンションが上がるが、「なにかと比べて」という前提が必要。
正気を保てないほどの興奮。ひどい優越感。勝った喜び。達成感。
きっと、この基準を覚えておくだけでも、かなり参考になると思いますよ。
これらのチェックが身体で出来ないようであれば、相当「重症」なので今すぐにでも「からだをゆるめる」ことを始めるとよいですね。