2008年、秋。
千葉県への異動が決まり、付き合いたての葉月と同棲することになった。
2DKのおんぼろアパート。
偶然、駐車場で拾ってきた猫との2人&1匹暮らしがはじまった。
思えば、このころから体調が好転していたように思う。
仕事はシフト制ながらも、パートさんの人数が充実していたので、いわゆる9-18時の仕事になり、割と規則正しい生活になった。
それから、当時18歳だった葉月が、がんばって夕飯を作ってくれたこともあり、栄養状態も安定していった。
しかし、何より大きかったのは葉月の「存在そのもの」だったかもしれない。
葉月という大きな安心を得て、徐々に自律神経系の症状が出ることは少なくなっていった。
それから大きかったのは「整体」や「東洋医学」の考え方を学んだことだ。
書籍でいうと石原結實さんの「からだをあたためるシリーズ」や「水分シリーズ」。
このあたりを読み漁り、マクロビ的な考えを知っていった。
面白いのは、厳格にマクロビオティックを実践しなくとも、
「体温が上がれば大丈夫」
的なざっくりしたコンセプトを知っただけでも、ずいぶん体調の安定に役立った。
これまで、完全に「謎」だった、「体調の仕組み」が分かってくることだけで、大きな安心になり、それが体調の改善につながっていった。
やはり健康にとって「安心」は、最高の薬である。
そして野口晴哉の「整体論」。
「風邪の効用」「整体入門」にはじまり、野口の著書を読みあさることで、
「からだは凄いチカラがある」
ということを知り、じぶんのからだにも自信が持てるようになっていった。
そこから潜在意識や催眠のことも勉強していき、さらに、こころとからだのつながり、体調の仕組みなどの学びを深めていった。
また2008年の12月からは、実際に整体を学び始め、
「からだの”ゆがみ”を取れば、体調はよくなる!」
という理論によって、さらにからだに対して自信を持つようになった。
要するに、まったくどうしていいか分からなかったところから、
「今の不調に対して、対策はいくらでもある」
ということが分かり、どんどん「安心」の度合いを深めていったのだ。
それが、ひいては「生きる自信」にもつながった。
「これから先、こんな体調でどうしたらいいんだろう」
という心配がなくなったのも、このころだったと思う。
そんな体験を経て、整体の面白さを知り、本屋から整体師に転職することにした。
はじめは副業でやっていこうと思っていたが、プロとして本業でやっていこうと決めた。
2009年の夏であった。